絵を読む楽しさ №2
『ぐりとぐら』
なかがわ りえこ 作/おおむら ゆりこ 絵
1963.12
『ぐりとぐら』は月刊絵本「こどものとも」で1963年12月号として発刊されました。
作者の中川李枝子さん・大村百合子さんご姉妹にとっても、福音館書店にとっても、代表作として真っ先にあげられる絵本です。
①ぼくらのなまえは?
主人公のぐりとぐら、ふたりのどちらが「ぐり」で、どちらが「ぐら」かご存知でしょうか?
表紙をよくご覧ください。
タイトルの色をよく見ると、青字と赤字で描かれておりふたりの服の色を見てみると・・・。そうです。青い服を着ているのが「ぐり」で赤い服を着ているのが「ぐら」ですね。
②なまえの由来
名前の由来についてはご存知でしょうか?
「ぐりとぐら」、その名前は中川さんと大村さんがフランス語を習っていた時に、先生から借りた『プフとノワロ-たのしいキャンプ』という絵本に由来があるそうです。
(‘‘Pouf et Noiraud campeurs’’ Pierre Probst作 1954 Hachette社)
プフとノワローというふたりのネコが、オートバイに乗ってキャンプに行くお話です。
キャンプファイヤーをしてハーモニカを吹いていると、ノネズミの一団がやってきます。ふたりはネズミが大嫌いなので慌てて近くの木に登ると、下でノネズミたちがどんちゃん騒ぎを始めて「ぐりっぐるぐら、ぐりっぐるぐら」と歌い出します。
この絵本を気に入った中川さんが、保育園に勤めていたときに紙芝居を作り、子どもたちに読んでみせると「ぐりっぐるぐら、ぐりっぐるぐら」の大合唱。そこから『ぐりとぐら』の名前が生まれました。
いかがでしたでしょうか?
誰もが知っている『ぐりとぐら』でしたが、今回ご紹介した内容は知らなかったという方も多かったのではないでしょうか?
そんな『ぐりとぐら』、現在は仲間が増え7冊のシリーズとして出版されております。さらに、『ぐりとぐら』を楽しむためのガイドブック『ぼくらのなまえはぐりとぐら 絵本「ぐりとぐら」のすべて。』や『ぐりとぐらといっしょにおでかけ絵本セット』なども出版されておりますので、ぜひ合わせてお楽しみください。
それでは、次回もお楽しみに!